自転車やバイク・車などを追尾して撮影してみたいんだけど、ドローンの自動追尾ってどうなの?
ドローンの事はよくわからないけど、上記に限らずスノボーをしている所や電車・人物など、様々なシチュエーションでドローンで自動追尾して撮影してみたいと思っている方は多いのでは。
今回はそんな方の為にドローンで自動追尾させる方法と、自動追尾ができるおすすめのドローンをご紹介していきます。
ドローンの自動追尾機能
まずはドローンの自動追尾機能についてご説明していきます。
ドローンの自動追尾機能には大まかに分けて2種類の機能があります。
どちらも自動追尾する事には変わりないのですが、追尾できるものや使用できる環境が違いますので注意してください。
ドローン自動追尾機能【フォローミーモード】
1つは「フォローミーモード」
メーカーにより名称が違う場合がありますが、ほとんどのドローンでフォローミーモードと呼ばれています。
こちらは操縦者を自動追尾する機能で、厳密に言えば送信機(コントローラー)を自動追尾します。
ですのでフォローミーモードの設定をして、バイクや自転車などで送信機を持って走れば自動追尾できるという訳です。
フォローミーモードは1万円程度のドローンから搭載されているので、手を出しやすいと思います。
ただ安価な分、色々と注意点があります。
フォローミーモードの使用方法は、メーカーによって多少違いはありますがフォローミーモードに対応しているボタンを押すだけです。
あとは送信機(コントローラー)をドローンが自動で追尾してくれますが、追尾してくれる速度は遅いです。
高価なドローンのフォローミーモードであればそれなりの速度は出ますが、安価なドローンであれば車やバイク、自転車であっても追尾できない場合があります。
またフォローミーモードは高度を変えての追尾が出来ませんので、高低差がある場所、特に坂道などを登っていく場合は気を付けましょう。
他にはフォローミーモードはGPSに依存していますので、GSPが受信できない場所では使用できません。
ただ依存ですので、GPSが受信できる限り送信機(コントローラー)が物陰に隠れたりなど、見えなくなっても追尾することが可能です。
ドローン自動追尾機能【アクティブトラック】
2つ目は「アクティブトラック」
フォローミーモードとは違い送信機を追尾するのではなく、人や自転車・バイクなどの被写体を認識し自動追尾する機能です。
自動追尾したい被写体に送信機を持たせる必要がなく、フォローミーモードより使い勝手が良いいので、数万円以上の高価なドローンにしか搭載されていません。
アクティブトラックの使用方法は機種によって多少違いはありますが、アクティブトラックに対応したボタンを押す→追尾方法を選ぶ→被写体をタップ。
追尾方法は機種によって違いますが、高度や距離の調節、一定の距離と角度を保ってやカメラのみ追跡し移動は手動などがあります。
アクティブトラックは基本的に性能の良いドローンにしか搭載されていないので、追尾速度はフォローミーモードより速いと言えるでしょう。
また高度を変えて追尾してくれるので高低差がある場所でも使用できます。
アクティブトラックの注意点としては、被写体を認識して自動追尾を行うので、被写体が物陰に隠れた場合追尾が終了してしまう事があります。
ただ高価なドローン程、物陰に隠れた際の動きを予測変換して追尾が途切れにくくなっています。
アクティブトラックが実際にどういったものなのかは、こちらの動画で詳しく解説されています。
ドローンで自動追尾をする際の注意点
ドローンには様々な規制があります。
主なものとしては「航空法」ですが、航空法の規制にあてはまらなければそのままドローンを飛行させても大丈夫なのですが、航空法の規制に当てはまる場合は国土交通省に飛行申請が必要です。
規制の内容としては「目視外での飛行」や「人口密集地での飛行」など色々あり、詳しくは下記記事でご説明しています。
また自動追尾する際に航空法以外で気を付けてほしい規制が「道路交通法」です。
自転車やバイクを追尾となると基本的に道路の上空を飛行させる事になり、飛行方法によっては道路交通法違反となります。
違反となる例としては、道路上での離着陸・低い高度での追尾などです。
何メートル上空で飛行させなさいなど細かく決まっていませんが、基本的には交通の妨害となるような飛行です。
どうしても道路上での離着陸や低い高度で追尾したいとなると、警察署で道路使用許可をもらう必要があります。
自動追尾機能搭載のおすすめドローン
自動追尾機能が搭載されたドローンを選ぶ際にいくつか注意点があります。
1つは「機体の重量」です。
機体の重量(本体+バッテリー)が200g未満か200g以上かで、航空法の規制の内容が大きく変わってきます。
※詳しくは上記リンクの「ドローン規制まとめ」をご覧ください。
200g未満であると規制は緩く、200g以上だと規制は厳しいのですが、2022年にはこの重量が100g未満か100g以上に変わるとされています。
重量が100g未満で自動追尾機となると、おもちゃ程度のスペックのものしかないので、2022年以降も飛行させる予定の方は、重量も考えて購入しましょう。
2つ目は「障害物回避機能」です。
多くのドローンでは自動追尾中は障害物を回避してくれませんので、途中で障害物があるとそのまま衝突してしまいます。
ただ一部ドローンでは障害物回避機能が搭載され、障害物があると避ける、もしくは停止して衝突を避けてくれます。
安心して追尾させたいのであれば、障害物回避機能が欲しいところですが、障害物回避機能があり・なしで価格がかなり変わってきますので、財布と相談して購入したいところです。
【価格重視】フォローミーモード機能搭載ドローン
【HolyStoneHS165】
重量170gで航空法の規制が緩いドローンで価格は15000円程度です。(2021年6月Amazon参考)
カメラのブレを軽減するジンバルは搭載されていませんが、FHDカメラ搭載にカメラアングルが若干下向きなので、俯瞰の映像が撮りやすくなっています。
また専用ケースが付いているので持ち運びも便利です。
【スペック重視】フォローミーモード機能搭載ドローン
【MavicMini】
ドローン業界最大手のDJIから販売されている「MavicMini」
4~5万円程度の価格はしますが、カメラのブレを軽減するジンバル搭載に抜群の飛行性能。
重量がギリギリ200g未満の199gでとてもハイスペックな機体です。
本来はMavicMiniにフォローミーモードは搭載されていませんが、サードパーティ製のアプリを使用すればフォローミーモードが使用可能です。
サードパーティ製の物を使用するので大見得を切っておすすめはできませんが、200g未満でハイスペックなドローンが欲しいとなればこの1台しかありえません。
【スペック重視】フォローミーモード機能搭載ドローン
【Mavic2Pro】
空撮のプロも使用している機体「Mavic2Pro」
重量は200g以上となりますが、プロも使用している機体でそのスペックは言う事はありません。
全方向に障害物検知センサーが搭載されているので安全性も高く、お金に余裕があれば是非とも欲しい2台です。
アクティブトラック機能搭載ドローン
アクティブトラック機能が搭載されているドローンは現状(2021年6月時点)、重量200g以上のドローンしかありません。
またこれからご紹介する機体では全てフォローミーモードも搭載されていますので、合わせて利用してみて下さい。
まず一番安価なのが【DJI SPARK】です。
一番安価と言えど2軸ジンバル搭載、FHD1200万画素など、空撮を行うには十分な性能があります。
ネットオークションなどで探せば2~3万円で購入することも可能です。
ただ長く使用される予定の方は、公式サイトでの販売が終了しているので、新しいバッテリーを探す際は苦労するかもしれません。
次に【DJI Mavi Air】
Mavic Air2が販売されたことにより値下がりし、6~7万円程度で購入可能です。
3軸ジンバル搭載、4K撮影可能など、SPARKと比べると全体的に性能がアップしており、前方と後方には障害物検知センサーが搭載されているので、ある程度の障害物は自動で避けてくれます。
【DJI Mavic Air2】
Mavic Airの後継機で価格は10万円前後。
4K60fpsの動画が撮れるのでスピードがあるものを追尾するときにおすすめ。
障害物検知センサーは前方と後方しかありませんが、そこさえ気にしなければ飛行性能・カメラ性能ともにトップクラスのモデルです。
【Mavic2Pro/Zoom】
一般向けに販売されているドローンの中で最高峰のドローンです。(2021年6月時点)
価格はProが19万程度にZoomが16万程度。
ProとZoomの性能の違いとしてはProはカメラの画質に特化し、Zoomは画質を少し落とした分ズーム機能が搭載されています。
どちらも全方位に障害物検知センサーが搭載されているので、安全性を求めるならこの2台がおすすめです。
アクティブトラック機能搭載ドローンまとめ
アクティブトラック機能搭載機は基本的に重量は200g以上となるので、ほとんどの飛行で国土交通省に申請が必要となります。
ただ面倒な申請をしてでも、それに見合う撮影をできることでしょう。
どうしても申請をしたくないという方は、申請をしなくても飛行させることができる範囲を下記で簡単にまとめています。
- 上空150m未満での飛行:地表からの150m未満です。
- 空港周辺を除く:ドローンフライトナビや国土地理院の地理院地図などで詳しい場所を確認できます。
- 人口集中地区を除く:ドローンフライトナビや国土地理院の地理院地図などで詳しい場所を確認できます。
- 飲酒時の飛行禁止:アルコールまたは薬物の影響下で飛行させてはいけません。
- 飛行前確認:ドローン本体が故障していないか、周辺環境は安全であるかを確認します。
- 衝突予防:FISSを使用し他のドローンが飛行していないか確認したり、近くで航空機が飛行していたら衝突しないように降下させないといけません。
- 危険な飛行禁止:人に向かって飛行させるのはもってのほか、ドローンのプロペラ音などにも気を配らないといけません。
- 日中での飛行:日の出から日没以外での時間は飛行禁止。
- 目視の範囲内:目で見えない範囲での飛行は禁止。※例え目の前を飛行していたとしても遮蔽物があり目視できないとNGです。
- 距離の確保:人(第三者)または物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること。
- 催し場所での飛行禁止:祭礼、縁日などの多数の人が集まる催しの上空では飛行させない。※催し場所という曖昧なくくりですが、第三者がいると確実に催し場所というくくりになります。
- 危険物輸送の禁止:爆発物など危険物を輸送しないこと。※危険物とは、火薬類・高圧ガス類、引火性液体、凶器など、常識的に考えていただければわかるものです。例外として墜落防止用パラシュートのガスや火薬、撮影カメラ用の電池があります。
- 物件投下の禁止:ドローンから物を投下しないこと。※物件を地面に置けば大丈夫です。しかし1センチであろうと投下をさせると違反になります。
規制については下記記事で詳しくまとめています
ドローンの自動追尾 まとめ
基本的に自身でドローンを操作できる場合は手動での追尾をおすすめします。
これだけ自動追尾について説明しておいてあれですが、操縦に慣れてくると手動での追尾の方が色々な撮影ができ、自動での追尾に頼っているとどうしても衝突してしまうなどの危機感がなくなってしまうからです。
Mavic2 Pro/Zoomは全方位に障害物を検知するセンサーが搭載されていますが、細い木の枝や電線などは検知することは難しく、100%安全という物ではないからです。
もちろん操縦に自信がない方は自動追尾機能をどんどん使用してもらって構いませんが、周りに危険な障害物がないかよくチェックしてから使用するようにしましょう。
コメント
MavicMiniもDJI Mini2も純正のアプリではフォローミーは出来ません。
MavicMiniは、サードパーティー製のアプリでフォローミーもアクティブトラックもできますが
DJI Mini2はまだDJI Mobile SDKが対応していないので、サードパーティー製のアプリでもまだd出来ません。
どうも上位機種との差別化の為に、あえて純正アプリに機能を搭載していないようです。