2近年ドローン事業の成長は著しく、仕事でドローンを使用する職場やドローンスクールなど、ドローンに関係する事業が数年前に比べかなり増えたと思います。
またその成長は【トイドローン】にも言えると思います。
トイドローンとは明確な定義はありませんが、おもちゃみたいなドローンや重量が200g未満のドローンで使用されることが多いです。
今回は「トイドローン」=「重量200g未満のドローン」として使用させていただきますが、そのトイドローンも著しく成長を遂げるとともに、購入される方も増えたと思います。
しかしそれに伴い日本では飛ばせないトイドローンが横行してきました。
今回はその点についてお話ししますが、まずはトイドローンがどう成長してきたかご説明したいと思います。
トイドローンの成長
トイドローンはその名の通り、昔はおもちゃみたいなドローンが多かったですが、最近では本格的に空撮を行うエントリーモデルのような存在にもなってきています。
こちらは2019年4月に発売されたHolyStoneHS120Dというトイドローンで、販売当初は最強のトイドローンとも呼ばれていました。
価格は2万円程度で、FHDカメラ搭載、送信機からカメラのアングル変更可能、GPS搭載で屋外での安定した飛行などかなりのハイスペックで、もはや「トイ」とは呼べないレベルです。
しかしトイドローンのネックとも言える、ジンバル搭載には至りませんでした。
基本的にドローンはジンバル(ブレを防止する装置)がないと、いくら画質が良くても動画はブレてしまいあまり見れたものではありません。
ですがその半年後には初のジンバル搭載トイドローンが販売開始される事になり、トイドローン界に革新が起きます。
その名も【Micro Drone4.0】
クラウドファンディングでの販売で、飛行性能に関してはGPSが搭載されておらず従来の性能のいいトイドローンという感じですが、カメラ性能は初のジンバル搭載(2軸)に500万画素の1/2.3CMOSセンサー搭載で今までにないカメラのスペックでした。
しかしMicroDrone4.0は2019年10月に販売される予定でしたが、延期に延期を繰り返し当初の販売予定日より半年以上過ぎた現在でも販売されていません。
ただ当初の販売日の直後にドローン最大手のDJIが新作ドローンを発表してきました。
それは【MavicMini】
3軸ジンバル搭載、1200万画素、1/2.3CMOSセンサー、GPS・ビジョンポジショニングセンサー搭載・・・。
もはや「トイ」の域を遥かに凌駕していて、今まで販売されてきたトイドローン全てに、MicroDrone4.0ですら霞んで見えてしまいます。
流石に価格は4万円程度とトイという価格ではないですが(;^_^A
ただ飛びぬけて凄いのはMavicMiniだけですが、トイドローン全体でも平均的にスペックが上がってきています。
まず1つに・・・
オプティカルフロー機能搭載
従来のトイドローンでは飛行を安定させる機能と言えばGPSだけでしたが、GPSは屋内などのGPSが受信できない所では使用できませんでした。
それが最近ではオプティカルフローという機能が一般化されてきていて、屋内でも安定した飛行が出来るようになっています。
【オプティカルフロー】とはドローンの底面に搭載されているカメラで機体のズレを検知し、機体を安定させるという機能です。
ただ機能上高度を上げすぎるたり、カメラで認知しづらい地面だと機能しなくなってしまいます。
トイドローンでオプティカルフローが世に知られるようになったのは、2018年にDJIから発売されたTELLOだと思います。
※DJIではビジョンポジショニングセンサーと呼ばれています。
TELLOが発売された当時はその安定感に驚きましたが、2019年にはオプティカルフローが搭載されたトイドローンがたくさん発売され、そのうちオプティカルフローが搭載されている事が当たり前になるのでは?
ただまだGPSとオプティカルフロー、どちらとも搭載されたトイドローンはMavicMini以外にないと思われます。
多くのメーカーがトイドローンに参戦
2018年まではトイドローンを販売しているメーカーとなると、【HolyStone】【Hubsan】【Potensic】【DROCON】などを筆頭に覚えれる程度の数でしたが、2020年には覚えれない位のメーカーがトイドローンを販売するようになりました。
ただ同じようなトイドローンや、他社から権利を買ったのか見た目と性能が同じものが販売されている事もよくありますが(;^_^A
まぁそのこと自体は大したことではなくて、「新しく参戦したメーカーについて」ここからが本題です。
日本で飛行させることが出来ないドローンが販売される
今では数えきれない程のメーカーがトイドローンを販売しています。
しかしそのほとんどのトイドローンが日本では飛行させることが出来ないドローンなのです。
絶対に日本で飛ばせないという訳ではありませんが、飛行させる為に資格が必要であったり、技適マークというものを取得しないといけないものがあります。
まずは先に述べた資格についてですが、ドローンの電波は基本的に2.4Ghzの電波を使用しています。
しかし中には5.8Ghzの電波を使用しているドローンもあります。
主にモニターに映像を受信する際に5.8Ghzの電波が使用されており、5.8Ghzの電波を使用するには【第四級アマチュア無線技士】以上の資格が必要となり、さらには無線局開局という手続きが必要となります。
ただあくまで【アマチュア】ですので業務では使用できず、業務利用の場合は【第三級陸上特殊無線技士】の資格が必要となります。
なので5.8Ghzの電波を使用している場合は無線の資格があればいいのですが、なかには5.8Ghz以外の5Ghz帯の電波を使用しているドローンがあります。
その5Ghz帯の中には空中利用禁止の電波もあるので、実質ドローンを飛行させることが出来ません。
あとに述べた【技適マーク】についてですが、日本では電波を発する物は技適マークを取得していないもので電波を発すると電波法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
技適マークは下記のマークで、ちゃんとしたドローンであればどこかにこのマークが印字されています。
この技適マークは総務省の登録を受けた登録証明機関で取得することもできますので、絶対に飛行できないという訳ではありませんが、専門的な知識が必要でとても手間がかかり、なによりトイドローンを購入する以上の費用がかかってしまうので現実的ではありません。
日本で飛ばせないドローンの見分け方
正直100%見分ける方法はありません。
まずは電波についてですが、商品スペックを見れば何Ghzかという記載があるのですが、中には記載がないものや5Ghzと記載され、5.何Ghzかわからないものがあります。
下記はその一例です。
【スペック】 製品名:〇〇〇 機体サイズ:172x95x55 機体重量:150g 操作モード:モード1/2 切り替え可能 GPS:搭載 映像接続:5G Wifiリアルタイム映像転送 最大速度:36km/h 最大飛行距離:200m 最大飛行高度:100m 最大飛行時間:15分
ただ5Gと記載されているものは、経験上大抵5.8Ghzではありません。
技適マークについては商品説明に【国内認証済み】と記載されていれば取得してあります。
または技術適合証明の番号が記載されていれば確実です。
技術適合証明の番号とは技適マークを取得していますよと証明する番号で、その番号を総務省の電波利用ホームページで検索すると、本当に技適マークを取得できているか確認できます。
ドローン 折りたたみ式 カメラ付き 小型 収納ケース付き ポケット オプティカルフロー
1080P バッテリー2個 飛行時間20分 生中継可能 高度維持 国内認証済み
モード1/2自由転換可 コントローラーなし 国内認証済みの番号は208-180106
なかには国内認証済みと記載がなく技適マークを取得しているものや、国内認証済みと記載されているのに技適マークを取得していないという事件もありましたので、100%の信用はできません。
ですので商品レビューがたくさんあるようでしたら、技適マークについて書かれている方も多いので参考にしてみてください。
もしレビューが無いようでしたら、商品説明が英語であったり、翻訳機能を使用したようなおかしな日本語であるとほぼ技適マークは無いと思ってください。
ただ日本語(日本の方が販売している)であっても、技適マークを取得していないものもあります。
電波・技適マークどちらも商品説明を見ただけでは確実に判別できないので、販売元に問い合わせることが一番ですが、ほとんどが海外のメーカーで連絡が取れない事が多いです。
2020年のトイドローン事情まとめ
上記でご説明した日本で飛ばせないトイドローンは、重量が200g以上の普通のドローンでもあります。
性能やコスパだけ見るとかなり良いものもありますが、これは安心だと思えるもの以外は決して購入しないでください。
電波法違反をすると「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せられます。
しかしこの規制は日本だけのものなので、海外で飛行させることを考えている方には当てはまりません。
ただ海外へ持って行くまでは、電源を入れるだけで違法になるので気を付けて下さい。
また使用している電波や技適マークに関係なく、商品が届かないであったりスペックを詐称しているドローンも出てきていますので、十分に注意してください。

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