MAVIC PROの後継機「MAVIC2 PRO・ZOOM」
異なる仕様のカメラで基本スペックも大幅にパワーアップしていて、DJIの進化のスピードには驚かされますね。
今回はMAVIC2のズーム機能が搭載されている「MAVIC2 ZOOM」をご紹介いたします。
見た目はMAVIC PROそのもの
MAVIC2になり基本スペックは大幅にあがったものの見た目は後継機のMAVIC PROと区別がつきません。
まずこちらが後継機のMAVIC PRO
次にMAVIC2 ZOOM
ぱっと見、カメラには違いが見られますが、他は若干デザインが違うだけでほぼ一緒!
全体のサイズはMAVIC2が大きくなっており、対角線サイズが354mmと前作と比べ19mm大きくなっています。
近くで見たら機体の種類は判別できますが、飛行していたらもうわかりませんね。
気になるカメラの性能
MAVIC PROと基本スペックは同等ですが、ジンバルが片持ち式から両持ち式になり、スムーズな動き、そして耐久性も向上しています。
さらに8GBの内蔵ストレージで録画中の映像処理速度も向上、そして1番の特徴「ズーム機能」
光学2倍加えてデジタル2倍で合計4倍のズーム機能を搭載しています。
4倍時は1080pでの撮影となるので、4Kで撮影したい場合は2倍での使用となります。
ビットレートはビデオビットレートは採用し最大100Mbpsとし、前作が60Mbpsなので同じ解像度の映像であればMAVIC2 ZOOMでズームで撮影した映像の方がより多くの情報量が得られるので、奥行きや色彩などに違いがでてきます。
そして目玉機能であるボタン1つで出来る「ドリーズーム」
ドリーズームとは
「ドリーズーム」とはアルフレッド・ヒッチコック監督が編み出し撮影方法です。
動画を扱う人にとってはよく知っていると思いますが、ドリーズームで撮影するためには多くの機材と撮影条件が絡むため、簡単に撮影できるものではありません。
原理としては、被写体にピントを合わせながらカメラが離れた場合、被写体が小さくなってしまいます。
そこで離れる速度と同じようにカメラをズームしていきます。
そうすると被写体の大きさは変わらず背景だけが動いていくように見えます。
カメラはズームにすると背景が圧縮される現象が起こるため、被写体は動かず背景が動いているように見えるのがドリーズームです。
本来ドリーズームを行うには
通常ドリーズームを行うにはカメラマン、ピントスタッフ、カメラ移動スタッフなど、多くのスタッフが必要となります。
人件費だけでどれだけかかるのでしょうか。
それをMAVIC2 ZOOMではボタン一つでプロ並みの撮影が簡単にできるようにしています。
本格的なドローンには他にもズーム機能が付いているものもあるので、もちろん自力でドローンでドリーズームを行うこともできますが、被写体を捉えつつ後ろに下がり、それに合わせてズームを行う・・・。
かなりの練習を積まないとできそうにないです。
ドリーズームが出来る場所
ドリーズームは後方に下がりながら行うため、ある程度ひらけた場所でないと撮影ができません。
具体的な例を挙げると、被写体と撮影開始地点との距離が10メートルあるとします。
そうするとまず被写体と背景の間にも10メートルの距離が必要となります。(ドーリーズームでうまく背景が動くようにある程度の距離が必要です。ですので被写体と背景との距離がない真上に上がりつつドリーズームは行うことはできません。)
そこから撮影開始地点の後方に10メートル×3倍=30メートル、「合計40メートル」の広さが必要になります。
もちろん途中の後方15メートル地点でドリーズームを止めることはできますが、ドリーズームの面白さが半減してしまいます。
ドリーズームは被写体より背景が大事
ドリーズームは背景がいかに動いてくれるかがポイントとなりますので、被写体選びより背景選びが重要となります。
背景にはコントラストの乏しい所や背景との距離が近すぎる場合は、ドリーズームの効果をあまり発揮できませんので避けましょう。
あとは先ほど真上に上がるドリーズームはできないと述べましたが、徐々に上空に上がる位でしたら可能ですので、少し高台から撮影するのも面白そうです。
ドリーズームが実際にどういったものかは、YouTubeでMasashi Kiyonagaさんという方が、MAVIC2 ZOOMでのドリーズームのやり方を含めて丁寧に説明してくれていますので、参考に見ていってください。
飛行性能はどう進化した?
最高速度は衝突防止機能を排除したスポーツモードで72km/hと約7km/hアップし、バッテリー容量が3850mAhに拡張、見た目はほぼ同じながら空気抵抗を19%程度軽減させ、これにより飛行時間も27分から31分へと延長している。
他に地味ではあるが重要なポイント、プロペラの形状もわずからながら変更され静穏性も向上しています。
そして1番のポイントは安全面で、機体の360度をカバーするセンサーの追加です。
前作では全面と下面しか衝突回避のセンサーが付いていませんでしたが、前後、左右、上下に搭載され一層の安全面を強化しています。(アクティブトラックモードとトライポッドモードのみ対応)
まとめ・詳細スペック
ズーム機能というのはやはり魅力的ですね。
今までドローンではなかなか近づけず撮影が難しかった場所でも、ズーム機能を使えば簡単に撮影ができそうですね。
しかしズームより嬉しいのが安全面の強化。
ドローンを飛ばすにあたって1番怖いのが墜落ですから、この性能であれば無茶な飛行をしなければ墜落はほぼなさそうですね。
【より手軽に本格的な空撮が出来るDJIのドローン】

【詳細スペック・同梱物】
重量(バッテリー込み) | 905g |
最大離陸重量 | 998g |
サイズ | 214×91×84mm(プロペラをたたんだ状態) 322×242×84mm(プロペラを開いた状態) |
対角線サイズ | 354mm |
最大上昇速度 | 5m/s(Sモード)、4m/s(Pモード) |
最大降下速度 | 3m/s(Sモード)、3m/s(Pモード) |
最大速度(無風時) | 72km/h(Sモード) |
運用限界高度 | 6000m(海抜) |
最大飛行時間 | 31分(無風時、25km/hで飛行時) |
最大飛行距離 | 18km(無風時、50km/hで飛行時) |
最大風圧抵抗 | 29~38km/h |
動作環境温度 | ー10℃~40℃ |
GNSS | GPS+GLONASS |
内部ストレージ | 8GB |
カメラ | 1/2.3インチCMOS、有効画素数12MP、静止画サイズ4000×3000 動画4K30p、最大ビットレート100Mbps |
バッテリー | 容量3850mAh、バッテリータイプLiPo4S、重量297g 充電温度範囲5度~40度、最大充電電力80W |
送信機 | 動作周波数2.400~2.483GHz、5.725~5.850GHz 最大伝送距離FCC:8000m、CE:5000m、SRRC:5000m、MIC(日本):5000m バッテリー3950mAh、サイズ最大長160mm、厚さ6.5~8.5mm USBポート:Lightning、MicroUSB(Type-B)、USB-C |
同梱物 | 機体、送信機、フライトバッテリー、充電器、電源ケーブル、プロペラ1組×3、RCケーブル(Lightningコネクタ、MicroUSBコネクタ、USB Type-Cコネクタ)、ジンバルプロテクター、通信ケーブルUSB3.0Type-C、USBアダプター、RCケーブルスライダー(大)、RCケーブルスライダー(小)×2、コントロールスティック1組 |
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