ドローンには基本的にカメラが搭載されていて空撮できるようになっています。
そのカメラのスペックを見るとHDや4K、ISOや絞りなどカメラに興味がない方だと何それみたいな単語が沢山あります。
今回はそのカメラ用語について詳しくご紹介していきます。
まずは解像度について。
【解像度】HD・FHD・2.7K・4K
「HD」・「FHD」・「2.7K」・「4K」とドローンのカメラのスペックにはよく記載されていますね。
ドローンに限らずデジカメやテレビなどでも使用されていて、なんとなく「HD」<「FHD」<「2.7K」<「4K」と画質がいいのだろうと想像していると思います。
ざっくり言えばそんな感じで捉えてもらって大丈夫ですが、厳密に言えば違いますし、場合によっては4KよりFHDいいという場合もあります。
まずHDとは「ハイビジョン(Hi-Vision)」の正式名称である「High Definition TeleVision」を略した名称で、画面の解像度は1280×720になります。
スペック欄で表記される場合「HD」「1280×720」「720p」などと表記されます。
一方FHD(フルハイビジョン)の解像度は1920×1080となりますが、通常のHDと区別するために後付けされた名称の為、1920×1080の動画をHDと言っても間違いではありません。
こちらもスペック欄で表記される場合は同じように「FHD」「1920×1080」「1080p」と表記されます。
2.7Kは2704×1520で、2704×1520や1520pと表記されることは少なく2.7Kと表記され、そして4KはFHDの4倍の3840×2160の解像度の事で、3840×2160や2160pと表記されることは少なく4Kと表記されています。
ちなみに720pの「p」というのはプログレッシブという映像方式を表す記号で、HDでプログレッシブ方式の映像ですよと表しています。
他にもフレームレート(フレーム・プログレッシブ)を表す際に「p」を使用する場合があります。
その際は720/30pや1280×720/30fps(後半の30がフレームレート)などと表記されます。
(フレームレートについては後で詳しく説明します)
解像度とは
上記で度々出てきている解像度とは、動画や静止画の縦横のピクセル数を表すものです。
解像度が高いほどたくさんのピクセル(画素)で動画や静止画を描写するので綺麗に表示することができます。
わかりやすく例を挙げると、1280×720個の点で描かれた物に対し、1920×1080個の点で描かれた物、後者の方が滑らかで綺麗ですよね。
下にイメージ画像をあげていますが、画面解像度が高ければ高いほど滑らかになり綺麗になります。
解像度は高ければいいってものではない
先ほど画面の解像度は高ければ高いほど綺麗な映像になると述べましたが、残念ながら映像を出力させる側のスペックが低ければ綺麗な映像は映せません。
例えばHDまでしか映すスペックがないのパソコンにFHDのものを映しても、HDの画面解像度になってしまいます。
場合によってはFHDからHDに解像度を落とすので、HDで撮影し映したものより映像が汚くなってしまうこともあります。
ドローンのカメラの最高スペックは4K
この上にさらに倍の解像度の「8K」がありますが、民生用のドローンのカメラではまだなく、一般にも8Kを表示できる媒体が普及していないので、誰でも見れる映像となると4Kになるでしょう。
しかしなんでも4Kで映せばいいという訳ではなく、4KはFHDの4倍の解像度になりますのでデータ量もかなり大きくなります。
動画サイトなどに映像をあげる際は、データ量の事も考えないと重くて見づらい映像になってしまいます。
今はスマホで動画を見るという方も多いでしょうからHDやFHDでも十分と言えるでしょう。
フレームレート(fps)とは
上記で少しお話したフレームレート(fps)とは。
fpsはfpsではなくpだけで表記されていることもありますが、よくゲームのジャンルで使用される「First Person Shooter」の一人称視点のものではなく、フレームレート(Frame per second)を表しています。
映像に関わる人であれば当たり前のように知っているfpsですが、一般の方だと詳しく知らない方もいっっらしゃいます。
私もドローンに関わるまではとりあえずfpsが高ければ動画が綺麗なんでしょって感じでした。
知ってみたらそんな簡単な事だったの!?と思いもっと早くfpsとはなんぞやと調べてみるべきでした・・・
そんなfpsですがとても簡単な事で「1秒間に何コマある動画か」を表しています。
動画はパラパラ漫画のように静止画を組み合わせて動いているように見せています。
例えば30fpsだと1秒間に30枚の画像、60fpsだと1秒間に60枚の画像をパラパラ漫画のように表示させて動画にしています。
知ってしまえばそれだけの事!?ってなりますよね??
フレームレートの数値で映像はどう変わる?
簡単に想像できると思いますが、フレームレートの数値が高いとコマ数が多くなるので滑らかな映像に、逆にフレームレートが低いとカクついた映像になってしまいます。
標準的なフレームレートの数値は30fpsで、地上デジタル放送は29.97fps、映画24fpsとなります。
みなさんが見慣れている映像なので、この数値より低いと映像が少しカクついて見えたり、高いと映像が滑らかに感じることでしょう。
フレームレートは適切に
フレームレートは高ければ高いほど滑らかな映像になりますが、高くすることによって起こる問題があります。
それは「画質の劣化」と「データ容量の増加」です。
映像自体は滑らかですが、パラパラ漫画の1枚1枚の画質は下がってしまいます。
画質自体はデータ容量の問題なので、画像1枚に対して使用する容量を大きくすれば改善できます。
ただ単純に画質を維持したままフレームレートを倍にしようと思うと倍のデータ容量が必要となります。
しかしデータ容量をあまり大きくしてしまうと、低スペックなPCやスマホで映像が再生できなくなってしまうの注意が必要です。
フレームレートの上限
一般的なディスプレイやスマホは60fpsでの表示が上限となっており、それ以上おおきなフレームレートの映像は60fpsで表示されます。
120fpsまで表示できるものもありますが数は少ないので、通常の映像でフレームレートを高くして映像を作製する意味はほとんどありません。
ですがスローモーションの映像を流す場合は、120fpsやさらに上のフレームレートで撮影する場合もあります。
【解像度】HD・FHD・2.7K・4K、フレームレートまとめ
カメラ用語についてはドローンに限らずデジカメなども一緒なので、解像度のいいカメラですよと販売していますが、使用用途によってはせっかくの性能が無駄なってしまいます。
ですがスペックについて理解がある事で、無駄にいい性能の物を購入しなくなるのでお財布に優しいし、データ容量も抑えることができます。
またDJIのドローンMavic2を例に出すと
- 4K:3840×2160 「24/25/30p」fps
- 2.7K:2688×1512 「24/25/30/48/50/60p」fps
- FHD:1920×1080 「24/25/30/48/50/60/120p」fps
このようにフレームレートや画面解像度を選ぶことが出来るので、撮影の際は適切なものを使用するようにしましょう。
他にカメラの性能に関わる用語は何がある?
ドローンは本格的なものになるとカメラの性能が事細かに記載されています。
横文字や数字が多く難しそうと感じるかもしれませんが、覚えてしまえば簡単な足し算・引き算みたいにカメラの調整を行えます。
例えば周りが暗いから「シャッタースピード」を遅くしてみる、まだ暗いからもっと遅くしてみようと。
このように足し算・引き算感覚で簡単に調整できますので、ぜひカメラの性能について理解していってください。
主なものとして「シャッタースピード」「絞り」「ISO感度」「センサーサイズ」があります。
他にはビットレートや動画や写真の保存形式などがありますが、今回は上記4つについて説明していきます。
シャッタースピードとは
シャッタースピードとはシャッターが開いている時間を表しています。
通常シャッターが開いている時間は何十分の1秒とかですが、この短い時間の間にカメラに光を取り込んでいます。
ではシャッターが開いている時間が長いとどうなると思いますか?
時間が長い(遅い)と光を取り入れる量が多くなり明るい写真になり、逆に時間が短い(速い)と暗い写真になります。
その為Mavic2Proで言えばシャッタースピードは8~1/8000秒まで設定できますが、一番遅い8秒に設定するとこのように・・・
光の残像を残した長時間露光という撮影が出来るようになります。
長時間露光で気づいた方もいるかもしれませんが、シャッタースピードを速くすることで、動きの激しい被写体を止まったように撮影することが出来ます。
シャッタースピードが遅いと、シャッターが開いている時間分の映像が1枚の写真となります。
その為動きが激しいとブレてしまいますが、シャッタースピードが速いと取り入れる映像の時間が短いのでブレのない写真になります。
シャッタースピードまとめ
シャッタースピードでよく使用するものは1/60前後のものでしょう。
そこから周りが暗かったり動きが速いものに合わせて調整していきましょう。
またスピードは8~1/8000秒だからといって細かく調整できるわけでなく、1/8000、1/4000、1/2000という風に半分になる感じです。
カメラの絞りとは
カメラの絞りとはレンズの中を覗くと羽で構成された穴があり、この穴の大きさのことを表しています。
下記の図を見てもらうと、どんなものなのか分かりやすいです。
この穴を小さくすることを絞ると言い、大きくすることを開くと言います。
この絞り具合を「F」で表し数字が小さいほど開き大きいほど絞るで、数字が小さいほど大きい(開く)と反対に捉えてもらうと覚えやすいですね。
絞りはシャッタースピードと同じで、開くほど光を取り込む量が多くなり明るい写真になり、絞るほど光を取り込む量が減るので暗い写真になります。
ではなぜシャッタースピードと同じ光の量を調節する、絞りという機能がついているのでしょうか。
それは絞りにより光のコントロールだけでなく「被写界深度」も調整できるからです。
被写界深度とは
被写界深度とは簡単に言えばピントのことです。
絞り値を高くする(絞る)と被写界深度が深くなりピントが合っている範囲が広くなります。
絞り値を低く(開く)と逆でピントが合っている範囲が狭くなります。
主な使用方法としては、手前の被写体をハッキリと写して背景はぼやけさせたい時は絞り値を低くし、近景と遠景の両方にピントを合わせたい時は絞り値を高くします。
絞りまとめ
Mavic2ProではF2.8~F11まで絞りの調整ができます。
バランスの取れた絞り値はF4やF5.6で、そこからピントや光の量に合わせて調整していきましょう。
またシャッタースピードと同じく光の取り込む量が変わり、そして次に説明するISO感度に関しても光の量を調節するものなので併せて調整しましょう。
ISO感度とは
ISO感度とはカメラのイメージセンサーの感度のことで、上記で述べた通り光の量を調節する機能です。
ISOは数字の通り比例し、例を挙げるとISO200はISO100の2倍の光を取り込むことができます。
ISO感度はシャッタースピードや絞りと同じ光を取り込む機能なのに何故あるかというと、シャッタースピードを速くしたいし絞り値も高くしたい!だけど明るくもしたいというときに使用したりします。
なら常時ISO感度が高くして撮ってしまえばと思いますが、ISO感度は高くすることによってデメリットもあります。
その理由として、ISO感度はセンサーが受け取った光の信号を内部の画像処理で増幅させているだけで、弱い光を増幅させるとそこに含まれているノイズも大きくなるからです。
ではノイズが大きくなるとどうなるかというと、画質が低い粗い写真みたいになってしまいます。
カメラによって違いますが、このノイズはISO感度800位から目に見えて感じてくるでしょう。
ISO感度まとめ
デメリットのあるISO感度ですが、人によってはISO感度を上げてノイズがあった方が味わいがあるという人もいます。
ですがISO感度が低い方がノイズのないハッキリとした写真が撮れるのも事実なので、自分の撮りたいイメージに合わせてISO感度を調整していってくだい。
センサーサイズとは
カメラのセンサーとは簡単に言えば、レンズから入った光(映像)を受け取り電子信号に変換する装置のことです。
そのサイズは下記のようにあり、Mavic2Proで言えば1インチとなります。
ではそのセンサーサイズですが、シャッタースピードや絞り値やISO感度と違い調整できるものではありません。
例えるならテレビの画面のサイズで、テレビの明るさ調整は出来ますがサイズは変えれませんよね?
センサーサイズは基本的に大きくなればなるほど綺麗な映像になります。
その理由としては大きいほどの1画素が大きくなり、その1画素に光を取り込める量が多くなるからです。
また光かと思いますが、光を情報と置き換えてもらえればとてもわかりやすいです。
例えば空を撮影した時に青い色としか認識できないセンサーと、ただの青色ではなく少し白みがある青と認識できるセンサーでは、後者の方が本物に近い綺麗な映像になりますよね。
このように取り込める情報の量が多くなるので、センサーサイズは大きければ大きいほど綺麗な映像になります。
センサーサイズまとめ
基本的にはサイズが大きなものを選んでいれば間違いはありません。
ただセンサーサイズが小さいのに画素数だけ大きなものは注意が必要です。
そうなると画素が小さくなり、1画素に取り込める情報量が少なく画質が落ちてしまいます。
用語以外でも覚える事は沢山!カメラでトラブル!?写真に白いモヤが!?
ドローンを含めカメラで撮影をしているとこういう事も起こったりします。
写真に白いモヤが・・・・
そう、心霊写真が撮れて・・・ではなく結露です(笑)
まずはモヤがどんな感じかはこの画像を見て下さい。
ドローンのレンズが結露して白いモヤが
画像上部の中央に大きな白いモヤがあります。
最初は海の方を撮っていて色合いで気付かなかったのですが、緑がある方で空撮するとはっきりとわかり、光のせいかなと思っていたのですが、着陸後にレンズを見てみると結露していたのです!
しかも外側ではなく内部だったので拭き取る事もできず(-_-;)
どうしようと思っていたら自然にモヤが消えて、それ以降結露することはありませんでした。
ちなみにもやが取れた画像はこちら。
全然違いますね。
あらためて海の方を撮っていた映像を見るともやがあるなぁとはっきり分かり、晴れているのに曇りの中で撮った映像のようになっていました。
ドローンのレンズが結露する原因は?
もちろん湿気ですよね。
今回の空撮は飛行させる前から結露していたのか、飛行後に結露したのかは不明ですが、着陸後に自然に結露が取れたのと、また今までドローンを飛行させてレンズが結露したことはなかったのですが、空撮を行った日は連日雨が降り続いてたし、海の上へ飛行させたのでそれが原因ではと思っています。
しかし湿気の多い国日本ではこういった現象が多発しそうなのに全然情報がないですね。
通常のカメラとは違いバッテリーでドローン自体が温まるから、結露するのは稀なのでしょうか。
レンズが結露しないように対策する方法は?
対策としては飛行後に結露してしまった場合はないと思われます。
通常の一眼レフカメラなどであればレンズヒーターというものがあり結露を防止できますが、ドローンでは専用のレンズヒーターがないので基本的には対策不可です。
自作でレンズ周りを温めるものを作れれば別ですが、ジンバル付きのものであれば自作はかなり難しそうですよね(-_-;)
飛行前の対策としては単純にドローンを入れているケースなどに乾燥剤を入れるだけでOKです。
自宅保管時も乾燥剤と一緒に保管するか、電子防湿庫があればベストですね!
ただ本来は一眼レフなどのカメラを入れる物なので、Mavicであれば電子防湿庫に入りますが、Phantomだと入るかは不明です(;^ω^)
カメラ用語まとめ
カメラについてはまだまだありますが、これだけでも覚えておくとマニュアルで撮影するより綺麗な写真が撮れるようになり、また調整することで写真が綺麗になっていく楽しみが増えます。
そして写真を撮り続けていると上記のような白いモヤ(結露)など、なにかしら問題が起きてきますので、少しづつでいいのでカメラの性能のことなど勉強していきましょう。
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